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明治7年から新タイプの円銀(1円銀貨)を発行しましたが、アメ

リカの銀貨が0.15g重くし販路を拡大し始めたのを受け、日本も明

治8年から同じ規格(29.96gから27.22gにアップ、品位の900は

変わらず)の「貿易銀」を発行しました。しかし、明治9年に地金

相場の価値が下がり、大量のアメリカ貿易銀が入ってきました。

銀地金の所有者は地金で売買するより造幣局でアメリカ貿易銀に変

えた方が有利と考え、それを行いました。その後、明治11年アメリ

カはアメリカ貿易銀の製造を中止し、旧1ドル銀貨の製造を再開し

ました。

日本もアメリカに追随したと思われますが、やり方が少し違ってい

ました。明治11年5月27日、日本は貿易銀の一般通用を許す布告を出

しました。この時点で貿易銀は金貨と全く同じ条件となりました。

日本は何としても貿易銀を通用させようとしていたことが分かりま

す。そして同じ年の12月に製造を中止し、再び円銀の製造を再開し

ました。

貿易銀は、テレビの『なんでも鑑定団』でも時々取り上げられてい

ますが、「円銀」と合わせて非常に多くの偽物が出回っています。

私のお店にも円銀は、時々持ち込まれますが、3回のうち2回は偽

物ですね。

〔貿易銀〕

次回は、紙幣についても触れておきたいと思います。

では、また。