古銭の話(近代貨幣含む)の最終回ということで、今日は日本で初
めて発行された全国通用の紙幣のことについて触れてみたいと思い
ます。
慶応4年~明治2年まで発行された『太政官札』(だじょうかんさつ)
(政府紙幣)が日本で最初の紙幣とされています。
通貨単位は、江戸時代の「両」「分」「朱」がそのまま使われまし
た。(10両、1両、1分、1朱の5種類で4,800万両発行)
太政官札は軌道に乗っていたのですが、贋造札が多く出回り値下が
りしたことから、政府はやむなく新紙幣を作ることを決断します。
新紙幣は『明治通宝』というもので、を先進国のドイツの商社に
1億5千万枚の印刷を依頼し、太政官札の回収を行いました。
明治通宝は明治5年から明治15年まで、総額14,375万円分発
行されました。(種類は、100円、50円、10円、5円、2円、1円、
半円、20銭、10銭の9種類です)
明治に入っての各種紙幣はこうして整理、一本化されました。
そういう意味で、『明治通宝』は新政府の救世主となった重要な
紙幣ということです。
以上、8回に亘ってお話してきました『古銭の話』は終わりです。
〔太政官札〕
〔明治通宝〕