時々、錫(すず)の茶托や酒器を持ち込まれる方がおられます。その錫も刻印のしかたで純度が変わるのをご存知ですか?
今回は、そんな『錫製品』についてのお話です。
錫器は奈良時代よりも少し前に薬種を入れるの容器として日本に初めて渡来、すぐに人が口に入れるものと深く関わりながら普及していきました。錫器は、いうなれば“器の原点”と言ってもいいと思います。それは錫の無害性の証であることもさることながら「酒が美味しくなる」、「水がまろやかになる」といった錫独特の効用が、昔から実感として知られていたからに他なりません。
風格ある酒器に情緒深い味わいの茶器や酒器、新しい感覚のニューピューター(錫を主成分とする製品)など、長年その触感を楽しんで頂くことができています。
【錫の品質表示】刻印と純度について触れておきます。
純度が高い順から、『本錫』の場合、純度97%以上。『精錫』の場合、90%以上。『上錫』の場合、80%以上 となっています。『ニューピューター』の表記については、色々存在しておりますので、ここでの説明は差し控えたいと思います。
以上、今回は、『錫』についてのお話しでした。
皆さま、本格的な“冬”の到来も目の前です。
ご自愛ください。
〔写真は、本錫の銚子(酒器)です〕