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今日は、「備前焼」のパート2ということで、“窯変”について書きます。                                            窯の中の状況によって、器の素地や釉薬に“窯変”が起きて表情に変化が生じます。“窯変”とは、釉薬の組成や含まれる金属物質の酸化と還元の強弱などによって生まれる器肌の変化ことを言います。同じ窯で同じ時に焼いても、窯の中で置かれた場所の違いで、炎の当り方や灰の降りかかり具合が変わってくるため、ひとつとして同じ模様にはなりません。「桟切り」(さんぎり)、「火襷」(ひだすき)のほか、「牡丹餅」(※皿などの上に別の物をのせて焼き、赤く焼けた部分と茶色く焼けた部分をわざと作る方法)、「胡麻」(※胡麻を振りかけたようなザラザラとした質感を作る方法)、「青備前」(窯の中で置く場所によって稀に金属的な色があらわれ、光によって青く見える。)などが代表的な窯変の種類として知られています。

六古窯の中でも特に備前焼の壺は多く出土していて美術館で所蔵されていますが、元々江戸時代までは生活に欠かせない実用品でした。また、桃山時代、茶の湯の世界でも侘びた美しさを持つ茶道具は、『豊臣秀吉』もひいきにしていたと伝えられています。

【備前焼の魅力】                                                                  「田土」から生み出される独特の質感                                                         茶人を魅了したわびさびのたたずまい                                                        「胡麻」「火襷」など、窯変が生む多様な表情

以上で『六古窯』についてはおわりです。

次回は、『美濃焼』と『伊賀焼』について触れておきたいと思います。

では、また。