前回、「第8回古銭の話」において日本で最初の全国通用の紙幣と
いうことで「太政官札」についてご紹介いたしましたが、江戸時代
に遡れば諸藩が発行した「藩札」という紙幣が存在していました。
製造された一番の理由として、財政窮乏の危機を救うためだったと
いうことです。種類としては、金札、銀札、米札などがあります。
ちなみに、日本最古の紙幣は伊勢山田で発行された「山田羽書」
(やまだはかき、又はやまだはがき)慶長15年(1610年)とされ
ています。(※これはあくまでも説です。)
残されている関連の古文書では、用語として「はかき」「預り上」
「かり状」が使われていたようです。この中で「はかき」は少額に
対して「預り上」と「かり状」は高額の物に限られるということで、
どちらにしても「手形」という扱いをされていたようです。
以上、今日は、日本最古の紙幣について触れてみました。
※ちなみに、岡山で最初に発行された藩札は、延宝4年(1676)
美作津山の藩札です。
では、また。
〔伊勢山田羽書〕