前回の大判の話に続き、今回は「小判」です。
小判は江戸時代の通貨で、元亀・天正年間(1570~1591)に
金1両を4.4匁(1匁は約3.75g)に決定。最初は、最高品位
の金(現在の純金)で作ることを出発点としたらしいです。
しかし、結局は『江戸の貨幣物語』にあるように、品位は
1000分の843(84.3%)でした。(※18金は1000分の750)
その後、少しずつ品位が上昇し3代目後藤家(彫金師)時代に
1000分の868に決めたそうです。これは既定の品位を下回ら
らないようにという指示に応えるために次第に品位が上がっ
ていったそうです。
最初の小判は「慶長小判」(1601~1695)といい、製造は江戸
で行われていましたが、慶長5年頃には京都に、慶長12年
(1607)に駿河に、元和2年(1616)からは佐渡でも製造されてい
ます。駿河は元和2年頃までで、佐渡では文政2年(1819)まで
製造されました。
以下、その他の小判について記しておきます。
元禄小判1695~1710(品位:564/1000)
宝永小判1710~1714(品位:834/1000)
正徳小判1714(正徳4年5月~8月)(品位:857/1000)
享保小判1714~1736(品位:861/1000)
佐渡小判(不明)(品位:861/1000)
元文小判1736~1818(品位:653/1000)
文政小判1819~1828(品位:559/1000)
天保小判1837~1858(品位:568/1000)
安政小判1859(品位:570/1000)
万延小判1860~1867(品位:574/1000)
以上です。
次回の「古銭の話」第4回は、「丁銀」についてです。
【写真は慶長小判(細目打)です】