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少し前に鉄瓶の種類について、お話をさせていただきました。                                                                  今回は、『本物の鉄瓶とは』というお話をさせていただきます。                                                                 本物の鉄瓶は ※金気止め という処理を行います。この処理を行えば、鉄瓶の内側が使っているうちに湯あかで白くなってきます。この湯あかが付けば付くほど、お湯がまろやかな状態になり美味しくなります。それまではサビます。(鉄瓶ですからサビるのが普通と言えば普通なことですが。)

そして、そのサビが体に入ります。でも「サビ」は体にとって悪いものではありません。なぜならば、土の中から出てきた鉄をそのまま使って鉄瓶が作られるからです。だからこそその素材が重要なのです。

製作工程の最後には炭火によって1000度で焼かれます。この時にできる「酸化被膜」が防サビ被膜として残り、サビを防止します。それでも使っているうちにその被膜がはがれてきますが、同時に湯あかが付くのでサビにくくなるわけです。

みなさんは、重たい鉄瓶ほど良い物、と思っていらっしゃるかも知れませんが、本当は良いものほど鉄が薄く作られていて軽いんです。

※金気止め:鉄瓶の表面に漆を掛け、備長炭で焼しめるという手法のこと。安価な鉄瓶はこの処理をしていません。