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今日は、ご案内のように『伊賀焼』について書きます。                                                 三重県と滋賀県の県境に『伊賀焼』と『信楽焼』の窯場があります。このふたつは山をひとつ隔てて隣り合わせで、元々同じ土を使っていました。奈良時代からの古い窯でルーツは同じと言われています。古いものの区別はとても難しく、“伊賀に耳あり信楽に耳なし” という言葉があるように、耳(取っ手)のあるなしで見分けていたようです。

1400度以上の炎で繰り返し繰り返し焼き締めることで、俗に “伊賀の七度焼” とも呼ばれ、これにより黒い焦げや長石の粒が器の表面に現れ、どっしりしたワビた器となります。                                                                 桃山時代には、独自の作風を確立。「古伊賀」には、水指や花入れなど、豪快な茶陶が数々残されています。江戸時代、大名茶人小堀遠州(こぼりえんしゅう)「遠州伊賀」なる器も登場。土の風合いと炎による変化が生み出す自然の美を表現しました。江戸時代中期には一時衰退しましたが、瀬戸の釉薬の技術を導入、現在は、食器や茶陶など多彩な器を焼いています。

【伊賀焼の魅力】                                                                 激しい炎で焼き締められた大胆な美しさと力強さ。神秘的な灰釉のビードロ釉

以上です。次回は、磁器の『伊万里焼』と『九谷焼』を例にとって触れておきたいと思います。

では、また。