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『六古窯』について書いてきましたが、いよいよ最後、わが岡山の「備前焼」についてです。                                        備前焼は、平安時代に作られた「須恵器」(※古墳時代から平安時代まで作られた陶質土器のこと)をルーツとしています。十分酸素を供給出来る状態で堅く焼き締められた赤みの強い質感は、地味で飾り気はありませんが、素朴なたたずまいが魅力です。備前焼の人気が高まったのは、室町時代の終わり頃で、茶人「村田珠光」(むらたじゅこう)がそれまでの武家好みの茶道から“わびさび”に重点を置いた「草庵の茶」(そうあんのちゃ)を提唱した流れによるものとされています。江戸時代初期まで、茶陶において数々の名品が作られました。しかし、茶道の衰退とともに備前焼は低迷の時代を迎えますが、昭和に入って『金重陶陽』かねしげとうよう)らが桃山時代の「古備前」を復興。今では、500人以上の作家を抱える焼き物の里として栄えています。

備前焼と言えば、“偶然に生まれる窯変の面白さ” にあると言っていいと思います。                                   茶褐色の地肌は、土に含まれる鉄分が酸化による化学反応によるものです。地元の田んぼの底からとれる「田土」(たつち)と呼ばれる軟らかくて粒子が細かい粘土質の土を冬の間に掘り出し、約2年風雪にさらした後、山土と黒土を混ぜ合わせ、長時間焼き締めることで特有の土味が生まれるのです。

今日は、「備前焼」のパート① ということで、「ルーツと土」について書きました。次回は窯変他について書こうと思います。

では、また。